根無し草にも少し根が

いくつか内定をいただいているものの、8月上旬にとある会社の最終面接がある関係で、次の仕事について考える時間を人よりも少し多くいただいている。


最近少し変わったな、と思ったことが一点。
根無し草でフーテンの寅さんのような私が、「これからしばらくは東京近辺にいよう」と思うようになってきたことだ。


これまでは、といっても大学卒業以降だが、各地を転々としていた。卒業後の勤務地は東京一箇所で、引っ越さなくてもいいのに職場の独身寮を転々とし、アパートを借り・・・と東京・神奈川・埼玉が住民票に記載された後、アメリカで東海岸・西海岸両方の2都市に住み、スペインに交換留学し・・・と新しい場所に住むことを志望し実行してきた。新天地での新生活が好きだった。観光では行かないような場所、例えば近所の喫茶店やお店に通い、図書館でDVDを借り、スポーツやシェアハウス、学校や勤務先などを通じて新しい人間関係を築いていく生活に慣れていた。旧友とはスカイプやメールでやりとりしていた。


ところが、今回帰国して、妹と一緒に住んだら&旧友と会っているうちに根が生え始めたようだ。内定をいただいたとある会社では、勤務先を東京・京都から選べるのだが、迷った末に東京を選ぶことにした(京都に住むなら一人暮らしではなくシェアハウスだな、とまでは考えていた)。これまでの私だったら、憧れの京都生活!とさっさと引越しをしていたに違いない(京都にある大学に行きたいと思っていたくらい鴨川沿いの暮らしに憧れていた)。しかし、今回はこんな発想になっていた。

東京>京都 その理由は、

・新しい仕事に慣れること、キャッチアップすることにエネルギーを注げる(仕事と京都での生活の両方が新しいと新生活に慣れるほうにエネルギーを少しとられちゃうかも。仕事でのパフォーマンスを最大化したいのでとりあえずは慣れたこの住まいから通勤予定(一時間以上かかるけれども(笑)。その分早朝出勤、早めの退社で読書タイムに充てられるといいな))
・妹との暮らしが快適。信頼できるし、優しい子なので自然に配慮しあっているし、相談しあったり支えあったり笑いあったりする生活が楽しい。そしてこの快適で楽しい生活もそう長くは続かないかもしれない、貴重な時間(ほら、私か妹が先に嫁に行ったら・・・予定は未定だけど^^;)
・多くの友達は関東にいるので会いやすい。友達や元同僚など、会っておもしろい話ができる人たちの多くが東京。彼らとは定期的に会って話をして刺激を与え合う仲でいたい。
・今住んでいるさいたま市の図書館の本が充実していること(特に最初は業界について本を読んで情報収集をするので、ほしい本がある、充実しているというのは重要)
・京都は出張や旅行で行けばいい。仕事で結構行く機会はあると見込んでいる(だといいな)
・親の実家からも比較的近い(母曰く、娘が近くにいるのが安心なのだとか。以前は母ももう一度京都近辺に住みたいといっていたけれど。母は若い頃京都に住んでいた)
・引越しにかかる手間・コスト・時間を節約でき、その分仕事に生かせる(引越代や荷詰めなどの作業、役所への手続き等が不要で、その分を新しい仕事の準備に充てられる(業界のトレンドを勉強したり課題を見つけたり人に会ったりできる)

・あと考えられることとしては、これまで引越しを繰り返してきたので、引越欲はある程度満たされており、収まっているのかもしれない(?)


これまでふ〜らふらしていた私からすると新しい発想であり、我ながら心境の変化に驚いたけれども、「守るものがある」ってこういうことかなって少しわかった気がした。

世界各地に住んで、異なる価値観・バックグラウンドをもつ人たちとの交流を楽しむ、その土地の食べ物・文化などを楽しむ、ということにわくわくしているし、将来そうなったらいいな、とも思っているけれど、今はいまある環境や生活を存分に楽しみたいと思っている。異なる価値観や背景を持つ人たちとはここ関東にいても会えるしね。会えるように動いていけばいいだけ。この周辺にいる、そんな人たちと交流してお互いに「出会えてよかった」って思える人間関係を築いていきたいな。


Source http://tsukubasonbou.at.webry.info/200812/index.html