ひげが生えそう?

発展途上国を旅行しているときって、気が張っていて、自分のなかの男性性というか、攻撃性が増長されているようです。普段と違う自分に違和感をおぼえます。

先日宿泊先で不都合があって、それをスタッフに伝える際に、相手を信頼していないような態度・言動で表現してしまいました。あとから、「何でこんな態度をとったんだろう?」と反省。普段だったら、違う態度をとったはず。不満をぶつけなくても、困っていることは伝えられるし、このスタッフは、それを理解して対処してくれるような人だと気づいて、申し訳ない気持ちになりました。また、別の途上国を一緒に旅行した人から、「この宿泊先はこの点とあの点とこれについてがダメ。スタッフにこれらの不満をきちんと伝えてほしい」と繰り返し言われたときに、この宿泊先を予約したことへの責任を感じ(他の宿泊先の選択肢を見せた上でコンセンサスを得ていたとはいえ)、女性が男性にデートの至らぬ点を伝えたときの男性の気持ちがわかった気になり、これが続くと鬚が生えるんじゃないかと心配になりました(笑)。(蛇足:私はひげが生えたことはありませんが、インド人女性同士の会話でひげ剃り(顔そり?)を定期的にしないと熊のようになる、とこぼしていました。。中国人の女友達もひげが気になると言っていました。人種・性格によっては本当にひげが生えるのかもしれない?!)

Photo by http://blogs.yahoo.co.jp/kantoku_ippei/27376012.html

何でこんな態度をとったのだろう?どうしてこんなことでイライラしたのかな?と振り返ると、旅行中、だまされないように、お金・モノを盗られないように、体調を崩さないように、終始警戒しているからというのが大きいと思います。また、特に中東・トルコなどのイスラム教圏の観光名所等では外に出ると売り込みの人たちに話しかけられて、反応に困ることも警戒している理由かと(人を見たら声をかけるのが習慣のようで、売り込みに熱心です。無視すると悪いなぁと思って反応するとずっとついてこられるので、結果として気を張って下を向いて歩くことに←路上から見られる景色を見損なっているかも(笑)【追記】イヤホンをして歩くことにしました。これなら売り込みの人たちも「聞こえていないんだな」と諦めてくれるかな?)。普段はほとんど警戒する必要もなく、周りの人を信頼して問題ないし、起きた事はそのまま受けとめることが多いです(何か起きたら、そこから何を学べるかに注力することが多い)。

私は以前は発展途上国でもどこでも住める、と思っていたし、人事面接などでもそのように伝えていたけれども、意外と先進国向きだったんだなということも、今回の旅行で気づきました。虫が部屋やベッドにいたりすることは生理的にダメだし、多くの途上国では相手の言うままに値段を決めるとぼったくられたりすることもあり人に厳しい態度で臨まないといけないことも、むいていないなぁと。物・サービスを買うときに定価がない場合、値切るのが楽しい・交渉をして安くしてもらうのが好きというような性格ではなく、ふっかけられたら「そう、じゃぁやめとくわ」と去るのが常(選択肢があれば)。基本的にはハプニングを楽しむ性格だと思いますが、ここに挙げたこと(虫など)については生理的・性格的に向いていないんだなぁということがわかり勉強になりました。とある国ではG(別名アブラムシ)がこちらに向かって飛んできて、失神するかと思いました…(この環境は無理だと悟った瞬間でした。途上国への旅は特に、何が起きるかわからないところが楽しいのですが、やっぱり衛生面は気になるのです)

明日からは、信頼している旅行会社の人がアレンジしてくれた周遊パッケージ旅行に参加します。旅行中、自分で交渉したりお金を払ったりすることもなさそうなので、ひげが生えそうなこともあまりないのではと思います(笑)。ツアーを選ぶ際の決め手も「スタッフが信頼できるかどうか」でした。このパッケージ旅行の価格はあってないようなものなのです。一定の人数が決まったコースに参加する、というものではなく(特にオフシーズンの冬は。夏はあるかも)、ある程度カスタマイズして提供するのが普通のツアーなので、見る場所・交通手段・宿泊先・日程・何日前に申し込んだか・入場料は含まれているか、食事つきかなしか・・・などの要素で値段が大きく変わります。いくつかの旅行会社から話は聞き、値段や条件などをある程度比較しましたが、結局はトリップアドバイザーで過去の客のフィードバックを読んで評価が高かった会社のツアーに参加することにしました。ツアー会社に数日足を運び、会社の人や旅行後会社に足を運んでいた参加者と話をして、「この会社の人たちなら安心」と思えたので、ニーズを伝え、相談した後はお任せしました。信頼できる旅行会社なら、顧客のニーズを最大限満たそうと尽力してくれるだろうし、原価+○%(適正な利益率)を提示してくるだろう、自分で細かい点を審査・比較検討して「これは大丈夫か、だまされていないか」と懐疑的になる必要もないかなと思って。

ビジネスをするなら、まずは既存の顧客を大事にすること(口コミにつながる)、既存・新規顧客と信頼関係を築くこと、といわれているのは私のような人間がいるからだと思いました。

【12月27日追記】
上記のとおり反省した後、人を信頼して行動することを再開したら、宿泊先のスタッフや、お店の人たちにも親切にしていただきました。お店の人たちは売り込みが賑やかで最初は苦手だったけれど、ゆっくり話をしてみたら、おもしろく勉強になることが判明。私は買う気はないので最初に「申し訳ないけれど、お金を持っていないので買えないの」と断った上で話をしています。トルコの人たちは性格はアジア的なのか、相手に負担を感じさせないためか、「英語の勉強をしているから、英語で説明をする練習になるよ」「10年後にまた来てくれればいいよ」「日本のことを教えてくれてありがとう」などの気遣いのある返答が嬉しいです。こういう会話は時間がある旅行だからこそできる贅沢だな〜と感じます。