聞かれたことに対して説明すること・シェアすることは相手へのプレゼント

先日シンガポール人の友達との何気ない会話から、シンガポールの歴史に興味を持ったので、ネットで基礎的なことを調べたあと、湧いてきた疑問点を投げかけてみたら、いろんなことを教えてくれた。

湧いてきた疑問は
「一党独裁だと言われていたけれど、そうなの?与野党の割合は?野党が躍進している理由は?」
「外国人でシンガポールに住んで窮屈だという人がいる、その理由は?」
など。

この友達からは、歴史、政治体制(過去と現在の変化とその理由、政治家と政党の関係)、法治国家であること(とその背景)、多様であることが普通であること(とその例)、などを日本と比較して教えてもらった。

・シンガポールは独立後50年に満たない新しい国。リー・クアンユー(Lee Kuan Yew)と政党との関係はほぼ一体であること(国民から支持を得ていた小泉のようなリーダーであったこと)など)
・多様(マレー、中華、その他いろんな国から来た人たちで成り立っている)
・法で成り立っている国。新しく多様な国(移民の国)であるため、問題なく物事を進めるために細かいことまで法規制で決まっており、エンフォースメント(法規制の実効)もきっちり。他方、ほかのアジアの国のルールは、伝統や慣習、その国のマジョリティの民族のルールで決まっていて、法律により定まっているわけではない。
・オーガナイズされているという特徴からスイスと比較されたり、移民の国であることからアメリカと比較されたりするのだとか(アメリカは移民の国であるが、問題が多いがシンガポールではアメリカと比べると問題がはるかに少ない)
・問題は国が小さいので、3年経つと外から来た人がまた外に出ていってしまう(シンガポールはもう見飽きた、と)
などなど。

話しを聞いていて、「そうなんだ!」と膝を打つような話がたくさん。すごいな〜と感動した。この友達は大学時代、政治学を専攻していたから政治体制などについて詳しく、日本のそれと比較できるのもおかしくはないけれども。


と同時に、これまできちんと自分の国のこと、なぜ自分がこう思うかなどについて説明・理解不足だったことを反省(私からは政治、小泉元首相、松下政経塾の話などをしたくらい)。私は日本生まれで日本育ち、周りも日本人ばかりと共通点の多い?ハイコンテクストな社会で30年以上生きてきたので、無意識のうちに言わなくてもわかっていると相手に甘えている部分があったんだろうな。特にこのシンガポール人の友達は、同じようなアジア系の顔立ちだし、2年間つるんでいたし、日本に来たことがある&日本とビジネスをしていたこともあるので、日本について知っているんだろうな、と思いこんでいて、これまで私や私の国について詳細説明はしてこなかったのだ(ごめんよ〜)。英語で説明できなかったという理由もあるだろうけれど、何かを聞かれても「こういうもんだから」と私が疑問を思っていなかったからというのが大きい(日本と他の国のやり方の違いを理解していなかったし、違いの背景を理解していなかった)。私が説明しなかったばっかりに、周りの人が得られたであろう(日々、私が享受しているような)「そうなんだ!」という驚き・新しい視点などをシェアし損なっていたかもしれない。聞かれたことについて、説明すること、シェアすることはプレゼントなんだな。どんな意見も視点も、人から見たらおもしろかったりするんだもの。


シンガポールは同じアジア内に位置し、日本と同じように短期間で経済成長を遂げた国ですが、話しを聞いていていろんな面で違うことに気づきました。これからは、相手は日本や自分のことを知らない、という前提に立って、できれば常に比較の視点を持って(違いと共通点を意識して)、丁寧に説明をしたいです。これからは、相手への「プレゼント」になるような情報提供をしていきたいです。相手が理解しやすい・受け取りやすい・もっと知りたいと思ってもらえるような方法で。